印刷博物館ブログ – いんぱく通信

「美女と野獣」実写版、目に留まったのは

2017年04月25日(火) by Q太郎

ミュージカル好きとしては、今季必見・必聴の映画、早速 吹替版を観てまいりました。

CG含め、映像がすばらしいとか、吹替版のメンバーがミュージカル界的に超豪華!だとか、アニメにはなかった生い立ちの話とか、感激は一言では言い表せないのですが

印刷博物館スタッフとしておっと思ったのは、野獣がベルに見せてくれた秘密の本。

鋲付きの本でしたね。古い本の装幀ってかっこいい!とうっとりしてしまいます。

 

今のように気軽に手にすることができなかった時代、書物は財産でした。

そして今と違い、中身の本文だけで売られていて買い求めた人が自分の好みの装幀をしていたそうです。

お金持ちは豪華で贅沢な装飾たっぷりに、そうでない人は簡素な装幀、ときには本文そのままの場合もありました。

また、こうした図書が別の人の手に渡ったときに、再製本されることも往々にしてあります。何度も売り買いされ製本しなおされるときにページの余白をカットしていくので、本はだんだん小さくなってしまいます。そんなところからもこれらの本がしてきた旅に思いを馳せることができそうです。

盗まれないように、鎖で留められている書物もありました。こうした大きくて重い本は本棚に縦に並べられるのではなく、書見台に置かれていました。鋲付き本の鋲には、このような本のページが開いてしまうのを押さえる役目がありました。

印刷博物館ではこんな古い本も展示しています。

左上に鋲付き、その横に鎖付きの本

 

 

さて館内に展示している珍しい本には世界で一番小さい本・マイクロブックもあります。

なんと0.75ミリ角、ゴマ粒より小さいけれどちゃんと印刷・製本された本です。

展示室内で製造工程を紹介していますが、映像はYou Tubeでもご覧いただけます。

https://youtu.be/rDpkfNSN0xs

ご来館の際にはぜひ実物を見てみてくださいね。ルーペを使えば読めますよ。

HelveticaとUnivers

2017年04月07日(金) by onsen

今回は、印刷の家が所蔵する欧文活字の中から、20世紀を代表するサンセリフ体、HelveticaとUniversをご紹介します。

まずはHelveticaについて。印刷の家では、ドイツのStempelという活字鋳造所がつくったHelveticaを所蔵しています。もともとは今から60年前、1957年にスイスのHaasという小さな活字鋳造所で生まれました。その時の名前はHelvetica ではなく、Neue Haas Grotesque。直訳すると、「新しいハース社のサンセリフ体」という意味です。その後、StempelがHaasとライセンス契約を結び、スイスの古称であるHelvetiaから名前をとって、Helveticaとして発売し、大ヒットとなりました。

続いて、Adrian Frutigerがデザインした名作、Universについて。同じ時の1957年、フランスのDeberny & Peignotという活字鋳造所から発売されました。こちらも大ヒットして、その後、様々な鋳造所から発売されました。印刷の家では、イギリスのMouldという鋳造所のUniversを所蔵しています。

どちらもウェイト(太さ)のバリエーションが多く、見出しから本文まで、統一性をもって使うことができます。

Mediumのウェイトで較べてみると、Helveticaの方が太いです。字の形にも違いがあり、特に「G」「Q」「y」「1」は見分けるポイントになります。

ちなみに、印刷の家「知るコース」でお客様に印刷していただく栞には、Universが使われています。ぜひ確認してみてくださいね。


仕事とは関係なく、ただのミュージカル好きとしていったいどんなミュージカルなのだろうと期待しながら行って参りました。

グーテンバーグ!​ ザ・ミュージカル!(https://www.gutenberg-jp.com/)
2017年3月17日(金)~20日(月・祝) 於:新大久保・R’sアートコート

タイトルのグーテンバーグとはグーテンベルクの英語読み。
グーテンベルクの一生を描いた作品…ではないのです。
無名の脚本家ダグと作曲家バドが作った大型ミュージカルが「グーテンベルクが活版印刷機を発明する物語」。

その作品を夢のブロードウェイで上演するためにオーディションに臨む劇中劇として演じられます。

(公演終了したので、ラストに関わる内容を追記しています。)
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フォントかるた大会に行ってきました

2017年03月07日(火) by Q太郎

3/5(日)「フォントかるた大会」於:昭和な家1955(http://shouwa.wixsite.com/1955)に参加してきました。

ちなみに、私はデザイン系でもなく、活版印刷工房にも関わっていないごく普通の文系事務職員です(^▽^)/

おそるおそる戸を開けます…
(写真提供 昭和な家)

引き戸を開けると、袴姿のフォントかるたの中の人が迎えてくれました。
(写真提供 昭和な家)[/caption]

かるた会といえば、袴です! 凛々しい!

12:00からトークショーが始まり、フォントかるた一般販売にいたるまでの裏話や、今後の展開(の妄想)の後、フォントについての解説です。
実際にフォントかるたの取り札を見ながら説明を聞きます。 
まず 取り札を 『ゴシック』・『明朝』・『それ以外』の3つに分けます。
最初は個性的なフォントの多い『それ以外』から。使用事例に「なるほど~あれね~」と一同納得。
初心者はこのあたりのお気に入りを自分の「決め札」とすると良いでしょう。私は『はるひ学園』『武蔵野』『くもやじ』『わんぱくゴシック』でがんばりました。

そして、明朝、ゴシックと見分けポイントのレクチャーは続きますが… いやーこれ、札を横に並べて比較すればわかるけど…正直難しいです… しかし、デザイナーの方たちは日頃よく使うのはわかる♪とぱしぱし取っていましたね。習うより慣れろとはこのことなのですか?

二つのフォントの「あ」 違うところがわかりますか?
(写真提供 昭和な家)

一通り解説が終わったところでいよいよかるた大会です。
今回はよくある「散らし」方式での実施。

ばらばら…
(写真提供 昭和な家)


3兄弟といわれるような書体はもう見分けられません…もはや自分の決め札の位置を確認するばかりです。

読手が序歌として「愛のあるユニークで豊かな書体。」を朗々と読み上げ、競技開始。

(写真提供 昭和な家)

結構近距離戦です。とった札は裏返してフォント名を皆に見せ、正解を確認してから、自分のものになります。でないと、お手つきかどうか取った人でも判断できないことに…

(写真提供 昭和な家)

もちろんお手つき多発です。

中の人、お手つきしました(写真提供 昭和な家)


誰かがお手つきしたときに、見えたフォント名を記憶しておいて取るという、神経衰弱的な作戦で初心者でも一矢報いることができます(笑)これは参加者に子どもがいるとかなわないらしいですけど。
また、何回かやっていくと相対フォント感が養われていき、「プロフェッショナルがこの札に見間違えたということは、似た感じのこの札でどうだ!」と勝負をかけることもできます。

結果、3回戦やってみて、1枚もとれなかったことはなかったです。「ボールドって何ですか?」「太字のことです」と質問してしまうレベルの私でも。
とりあえず、お手つきを恐れず札を開くのが肝要かと思いました。

フォントかるたを入手した方は、ぜひかるた会を開いてみてくださいね。

バレンタインカードはじめました

2017年02月02日(木) by onsen

本日から14日(火)まで、印刷工房の「知るコース」、「つくるコース」の時間内にバレンタインカードの印刷体験を行います。ミュージアムショップでも無料配布しています。

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一文字ずつ、活字を組んで印刷しています。

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紙を斜めに置いて印刷しているものもあります。

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水戸芸術館にて

2017年01月31日(火) by koubou

茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、写真家・石川直樹さんの個展が開催中です。

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南極・北極、ポリネシアの島々にヒマラヤ。石川さんの旅の足跡を写真で辿りながら、世界中を旅しているような感覚です。

ところどころに置かれている言葉は活版印刷。展示への協力というかたちで、当館印刷工房にて組版・印刷を行いました。

白い紙にうっすらくいこんだ活字。

白い紙にうっすらくいこんだ活字。

白い紙にうっすらくいこんだ文字と、極地の写真。しんとした空間です。

極地の写真とともに。

旅道具や思い出の品々。山や旅好きには楽しい展示も!

旅道具や思い出の品々。山や旅好きには楽しい展示も!

「石川直樹 この星の光の地図を写す」 2月26日(日)まで開催されています。


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紙の博物館・印刷博物館コラボレーションワークショップ「漉く・刷る 名刺―和紙漉きから活版印刷まで―」を開催します。

紙と印刷を知る計2日間の合同ワークショップ。紙の博物館で和紙を漉き、印刷博物館で和紙に活字を使って印刷して、紙から印刷まで手作りの名刺作りをお楽しみください。
(名刺には、名前・電話番号・メールアドレスを印刷します。住所表記は入りません)

①和紙漉き(紙の博物館) 2017年02月11日(祝・土)13:00~15:00
②活版印刷(印刷博物館) 2017年02月12日(日)13:00~14:30

【費用】 500円(別途各館の入館料がかかります)
【講師】 和紙漉き:紙の博物館スタッフ/活版印刷:印刷博物館印刷の家インストラクター
【定員】 10名(18才以上で2日間参加可能な方)
【お申し込み】 応募期間:2017年1月10日(火)~1月31日(火) 紙の博物館ホームページイベントフォーム

※紙の博物館ホームページイベントフォーム以外のお申込みはご遠慮ください。
※ご応募は1名様1回限り有効です(2名様以上のご応募はお受けいたしません)
※人数が一定数に満たない場合は、開催を中止することがあります。
※応募者多数の場合は抽選となります。抽選結果は、2月4日(土)までにご連絡差し上げます。
※個人情報は本ワークショップに関するご連絡以外に使用いたしません。

みなさまのご応募をお待ちしています!

印刷の家 欧文活字見本帳

2017年01月08日(日) by koubou

「武士と印刷」展も残すところ1週間となり、たくさんのお客様で賑わっています。

印刷工房の活版印刷体験「つくるコース」では、今日も定員を超える多くの方にご参加いただきました。

工房で使用している活字は、日々スタッフが整備しています。

この度、印刷の家所蔵の欧文活字を印刷した見本帳、vol.4とvol.5が完成しました。

どのような書体、サイズがあるかを把握しケースに詰め、使いやすいよう整理しています。

 

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年末の印刷工房

2016年12月27日(火) by onsen

早いもので今年もあと二日。印刷工房では、本日と明日、13時半から知るコースを開催しています。おまけの栞をご用意してお待ちしています。

また、つくるコースについては、来年1月から一筆箋の印刷体験が始まります。

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色々な絵柄の一筆箋をご用意しています。絵柄や罫線の部分も工房で一枚ずつ印刷しています。

和文の活字を一字ずつ集めて、一筆箋にお名前などを印刷していただきます。木曜~日曜・祝日の15時から開催します(工房前で14時50分から受付を行います)。

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欧文活字のケースを片付けて、これから和文活字のケースを並べます。ケースは重いので、スタッフみんなで頑張って並べます。

今年のつくるコースは終了しましたが、来年も多くの皆様にご参加いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

時空を超えて対面

2016年12月23日(金) by チーズ

「武士と印刷」展も会期残り1ヶ月を切りました。
多くのお客様にお越しいただき、ありがとうございます。

担当学芸員から、面白い話を聞きました。

第2部第2章に『桑華蒙求』(島根県立図書館蔵)という資料があります。
これは備中足守藩第6代藩主木下公定が編纂した書物で、
展示されているのは、1844(天保15)年に木活字により再版されたものです。
ちなみに初版は木版印刷で1710年に印刷されたそうです。

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この文字のかたち、見たことあるような・・・と思っていたそうです。
調べてみたところ、なんと徳川家康が作らせた重要文化財「伏見版木活字」(圓光寺蔵)
で摺られていたということが分かりました。

伏見版木活字

今回の企画展では、重要文化財「伏見版木活字」(圓光寺蔵)に加え、
伏見版木活字で摺られた『孔子家語』『六韜』『貞観政要』等の書物を展示しています。

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これらは、伏見版木活字が作られた頃に印刷された書物で、
『桑華蒙求』再版はそれから240年あまり後に、この活字を用いて摺られたものです。

言ってみれば『桑華蒙求』にとっては伏見版木活字は“父”であり、
『孔子家語』『六韜』『貞観政要』等の書物は“兄”のような存在ではないか、
と時空を超えた対面を感慨深く思うのでした。

「武士と印刷」展、1月15日(日)まで開催です。
ぜひこれらの資料を見に来てください。

「伏見版銅活字」と『孔子家語』『六韜』などは
第2部に入ってわりとすぐ音声ガイド6のサインのところに、

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『桑華蒙求』は第2部第2章第3節1701~1750年の
コーナーサインの下に展示されています。

コーナーサイン

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