印刷博物館ブログ – いんぱく通信


 昨夜、印刷博物館の真上にあるトッパンホールで、浦壁信二さんのピアノリサイタルを聴いてきました。
浦壁さんは、日本では5年ぶりのリサイタルとのことで、私も初めて聴かせていただきました。浦壁さんは、馴染みが薄いかもしれませんが、客席には大変惜しまれて急逝された、園田高広さんの奥様春子さんも来ておられ、注目されているピアニストの一人であることは間違いありません。
 プログラムは20世紀のスタンダートからと称して、20世紀を代表する作曲家、メシアン、ストラヴィンスキー、リゲティー、そして18世紀のバッハも演奏されました。どれも力強いタッチでしかも技巧的な演奏で私たちを魅了してくれました。
演奏を聴きながら、3人の20世紀の作曲家たちの中に、何故、浦壁さんはバッハを入れたのだろうと不思議に思っていました。アンコールはやはり19世紀~20世紀のドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」と「花火」、フォーレの「無言歌」を弾かれたのに……。プログラムを何度もめくってもそれについては書かれてなく、その謎は解けません。
たまたま、この公演の主催者とは大変懇意にさせていただいており、打ち上げ会のお誘いをいただきました。もちろん、浦壁さんもお見えになり、開口一番にその謎をお聞きしました。浦壁さんは、「20世紀の作曲家たちは、今まで受け継がれてきた古典の音楽からその壁を打ち破ろうとしていたのですが、もう一度古典を見つめ直そうともしていた訳です。そこで3人の20世紀の作曲家の中にあえてバッハを選曲してみました。」と熱く語ってくれました。なるほど、演奏曲のプログラムとしては何の違和感もなく流れていたことは事実でした。
 この公演はかなりマニアックなプログラムでしたが、さすが、浦壁さん、アンコールに「亜麻色の髪の乙女」と「無言歌」を聴かせてくれたのは、ちょっと疲れぎみのお客さんの心をなごませてくれた選曲で、舞台の上から聴衆の気持ちを掴んでいらしたのではないでしょうか。
 印刷博物館にお越しの際、トッパンホールで音楽を聴いてお帰りになるのも大変、充実した一日になることでしょう。
実は、私は今日も、トッパンホールでトーマス・ツェートマイヤー(vn)とルース・キリウス(va)のデュオを聴いてまいります。

秘密の資料 その1

2007年02月21日(水) by 機器好き

これはなんでしょう?



次回の展覧会「美人のつくりかた――石版から始まる広告ポスター」で展示したいと思っています。
これを展示するために、今打ち合わせ中です。
あまりに大きいこの資料をどういった形で再現し、展示するかが悩みどころ。
どうやって展示室に入れようかな。

さて、正解は?
フッフッフッ いじわるしておきます。
展覧会会場でのお楽しみ。
展覧会開催までの間、少しずついろんな場所をお見せしていきます。
わかる人にはもうバレてると思いますが。

先週末の打ち合わせでは、技術的には何とかなりそうな感じ。
これから、展覧会会場や搬出の調整をしていきます。
うーん、難航しそうな予感・・・。

高いところで作業中

2007年02月19日(月) by 機器好き

ニョキッと伸びたこのタワー「高所作業車」で電球の交換中です。

電球交換中

はしごのかけようがないので、こういう作業車を使用します。
プロローグ展示ゾーンの天井高は、5.8m。
ごらんの通り、簡単に交換もできないし、
プロローグは展示替えをほとんどしないのでタイミングもなくて、
博物館のなかでは、このプロローグだけ定期的に電球を交換しています。
下から見上げるとそうでもないのですが、
上にのぼらせてもらうと、本当にドキドキします。
いつもなにげなく、交換して帰って行く、照明やさんはスゴイ。

東京マラソン2007

2007年02月18日(日) by パーやん

久しぶりの雨だと思ったら、とても冷たい雨でした。

そんな中「東京マラソン2007」が開催され、印刷博物館最寄りの「飯田橋駅」を3万人のランナーが走り抜けました(コースに入っていることに今朝気づきました。いつもの日曜日とは違った雰囲気だったもので)。通行止めになった大通りには警察官が立ち、雨具に身を固めた観客も大勢いました。

「警察官も観客もこんな雨の日にご苦労だな」と、微笑ましく眺めながら出勤いたしました。

インターネットで早速調べてみると、東京マラソン2007を記念して東京都立の美術館・博物館の入場が本日無料だそうです。
「マラソン(スポーツ)と芸術」を強引に結びつけるあたり、石原都政、さすがですね。

確か東京都はオリンピック候補地に立候補してましたよね。もしオリンピック開催が実現したら、期間中全国の美術館・博物館が無料になりますよ、きっと。。。楽しみです。

美術館三昧 金沢編

2007年02月16日(金) by karaito

Jack-天野さんに続き、美術館訪問記です。
2月11日の日曜日に金沢21世紀美術館へ行ってきました。午前11時過ぎに着いたのですが、チケット売り場は長蛇の列。すごい人気でうらやましい限りです。

現在開催中の「リアル・ユートピア~無限の物語展」、「奈良美智展」、「コレクション展Ⅱ」と順に見てゆきました。〈芸術〉だと構えるのではなくて、どうぞ自由な感覚で見てくださいという感じの展示で、どの展覧会場でも家族連れの方がたが、楽しんで見ているのが印象的でした。現代美術展で多く見かける若い方たちばかりでなく、幅広い層を引きつける魅力十分の美術館です。印刷博物館とは分野が違いますが、学べる部分は多いと感じました。

ミュージアムショップも楽しいグッズがいっぱいで賑わっていました。そのショップのそばの美術館・博物館などのポスターが貼ってあるコーナーには、わが印刷博物館の「モード・オブ・ザ・ウォー展」のポスターもありました。金沢21世紀美術館さん、ありがとうございます。

美術館三昧 その3

2007年02月16日(金) by Jack-天野

 三連休の最後の12日の祝日は、世田谷区岡本町にある静嘉堂文庫美術館に行ってきました。
 静嘉堂は三菱の第二代社長の岩崎彌之助と第四代社長の小彌太の父子二代によって設立されました。昭和15年に財団法人となり、二人が蒐集した5,000点もの東洋の古美術品が収蔵されています。その中には、国宝の「曜変天目茶碗」や俵屋宗達筆の「源氏物語関屋澪標図屏風」などがあります。
 本日も拙宅から、昨日と同じように仙川沿いの遊歩道を歩き今度は東名高速の下をくぐり岡本民家園の脇を通ると、その先が静嘉堂です。やはり拙宅から30分ほどの距離です。正門から広大なお屋敷の中の坂道を登ると、小高い丘の上に文庫と美術館が現れます。庭園にはちょうど紅梅、白梅が花を咲かせており、とても静寂で、ここが東京なのかと目を疑ってしまうほどです。おもわず深呼吸をし、美味しい空気をいっぱい吸ってから、美術館に入りました。
 今の展覧会は、「荘厳された神仏の姿」と題し多くのコレクションの中から、仏画、垂迹画、仏像、教典などが展示されておりました。
特に印象に残った展示品は、重要文化財に指定されている、木造の十二神将立像でした。静嘉堂のコレクションである七体が展示されており、残りの五体の内四体は東京国立博物館が収蔵、一体は個人蔵とのことで、十二体揃って見られなかったのは、ちょっと残念でした。鎌倉時代の作品で、もとは九体の阿弥陀如来像で有名な京都の浄瑠璃寺に安置されてあったとのことです。
 美術館の中の休憩室には、当印刷博物館で現在開催している企画展「モード・オブ・ザ・ウォー」のチラシを置いていただいており嬉しくなりました。静嘉堂さんどうもありがとうございます。

 3連休に3カ所の美術館に行ってきましたが、1日目は南蛮好みのワインとオードブル、2日目は豪華なメインデッシュ、3日目のデザートは高級なお茶と和菓子といった感じ。ほんとうにお腹がいっぱいになりました。

美術館三昧 その2

2007年02月15日(木) by Jack-天野

 11日の日曜日は、世田谷美術館へ「富本憲吉展」を鑑に行ってきました。世田谷美術館は砧公園(砧ファミリーパーク)の一郭にあり、拙宅からぶらぶら歩いても30分ぐらいで行けます。この日もわりと暖かく仙川の流れに沿って歩き上を走る東名高速道路の手前を左に曲がり世田谷総合運動場、砧公園の中をぬけて行くと、ほとんど車路(くるまみち)を通らずに行くことが出来ます。
 午前10時ちょっと過ぎに入館出来たので館内は空いており300点近い富本憲吉の作品を、ゆったりと贅沢に鑑賞することが出来ました。
 富本憲吉というと、四弁の花模様や羊歯模様の斬新なモチーフの陶器を思いうかべますが、私の好きな木版画や蔵書章(蔵書票)なども展示されていました。さらに驚いたのは、東京美術学校の卒業制作である「音楽家住宅設計図案」(1908年)は、それが今から100年近くも前の日本では、お目にかかれないようなモダンな洋館が描かれていたことです。憲吉は美術学校時代に友人たちとマンドリンを奏でていたとのことで西洋音楽にも思い入れがあって音楽家の家を設計したのかもしれません。
そのほか、書画、着物、帯なども展示されており、それがどれも素晴らしく、様々な作品を作られた富本憲吉芸術の偉大さを改めて感じました。
憲吉が渡欧していた時のスケッチの中に更紗模様のスケッチが何点かありました。昨日、川上澄生美術館で見た『南蛮更紗』『南蛮廣記』(いずれも新村出 著)の表紙の装幀を思い出しながら、世田谷美術館を後にしました。

美術館三昧 その1

2007年02月14日(水) by Jack-天野

 先週の10日(土)から12日(月)の3連休(印刷博物館は開館しているのですが、私は暦通り休ませてもらっています)に3カ所の美術館を訪ねてきました。
まず10日は、栃木県鹿沼市にある鹿沼市立川上澄生美術館に行ってきました。最近は、新宿からJRと東武鉄道が乗り入れており日光や鬼怒川に行く特急スペーシアに乗り、新鹿沼で下車、2時間ぐらいで美術館に着いてしまい大変便利になりました。
 私は、川上澄生の版画が大好きでこの美術館は年に5~6回は行くのですが、現在『川上澄生と物語』というテーマで澄生作品が展示されています。
 誰でも知っている版画家といえば棟方志功ですが、もともと志功は「わだばゴッホになる」と言って油絵を描くことを目指していました。ところが、川上澄生の『初夏の風』という作品に出会い、その魅力に取り憑かれ版画家になったということは有名な話です。
 今回の企画展はサブタイトルに-南蛮の系譜をたどって-とあるように、南蛮調(聖書とキリシタンの物語から伊曽保[イソップ]物語)の作品が紹介されています。
澄生は、私刊と称して手作りで限られた部数の本を数多く作っています。今回もその私刊本が数点展示されています。旧訳聖書のアダムとイヴの物語を南蛮調で描いた『あだんとえわ』、『切支丹佛』、特に興味深いものは『いんへるの』と『はらいそ』で「いんへるの」はキリシタン用語で「地獄」、「はらいそ」は「天国・楽園」を意味するそうです。
『いんへるの』には、「いんへるのに まゐらうや/いんへるのに おちなバ/あのひとも このひとも/ゐるであらうぞ さても/さびしかるらん はらいそハ」という詩が描かれています。
「地獄にいきましょう。地獄に堕ちれば、仲間がみんないるでしょう。天国なんか寂しいよ」といった意味でしょうが、天国にいったならば、仲間はひとりもいないし、博打も打てない、お酒も呑めないといった、澄生独特の社会感とユーモアが感じられます。
 最後のコーナーは『伊曽保物語』です。『伊曽保物語』もキリスト教の伝来とともに日本に紹介され翻訳されました。天草のイエズス会から刊行された『ESOPONO FABVLAS』(通称『天草本伊曽保物語』)は有名な書物ですが、澄生もおそらくこの書物や物語を好んでいたのではないかと思われます。そして数冊のイソップ物語の絵本を作成し、また挿絵も描いています。「北風と太陽」「狐と鸛」「犬と肉」「アリとキリギリス」など物語は同一でも、挿絵は全て異なり、澄生のイソップ物語に対する思い入れを感じさせます。

いよいよ本気モード突入か

2007年02月12日(月) by パーやん

この3連休、「モード・オブ・ザ・ウォー」の入場者数が増えてきましたね。
先週読売新聞朝刊で大きく取り上げてもらったのが、功を奏したのかもしれません。今日あたりは若いカップルも多く目にしました。若い人がたくさん来てくれるようになると、入場者数全体も増えてくる気がします(今までの経験則で)。
このブログでも「いい展覧会なんです」ってなことをお伝えしてきましたが、この調子で評判が広がり、たくさんの人にお越しいただきたいものです。

さて本日、パーやんはずーっと講演会の準備でバタバタしてました。
印刷博物館がいつもお世話になっている文京区の皆さまの前で、聖書についてお話しさせていただくことになっております。その準備をしてたわけです。

草稿を読んでみるとちょっと時間がオーバー気味だったので分量を調整したり、後回しにしていた画像のデータ化にもやっと手を付けたり、といった感じ。2月末なのでまだ先なのですが、講演会に不慣れなパーやんはちょっと緊張気味で準備をすすめています。当日は実物の資料もたくさんご覧いただきながら、聖書と印刷文化のかかわりについて参加者と一緒に考えてまいります。

関心ある方はこちらをどうぞ(ああー、名前がばれちゃうかなぁ)。

「愛」いろいろ

2007年02月08日(木) by dokinchan

昨日の、パーやんさんが熱~く語っていました「永遠の抱擁」と題するニュース、私も感動した一人です。本当に「愛する」ということは、素晴らしいことだと、久しぶりに考えさせられました。
一方、「愛」は「愛」でも、最近、めっきり寂しい「愛」となっているのが、原巨人の「ジャイアンツ愛」ではないでしょうか。巨人ファンである一学芸員としては、今年こそ、「永遠の抱擁」に負けない位の素晴らしい「愛」をと期待しています。(今年も厳しいだろうな・・・)
そして、私たちはというと、印刷を愛し、収蔵・展示資料を愛し、そして何よりも日々来館いただてるお客様を愛し、これからも、多くの方々に満足していただけるよう、さまざまな活動に取り組んでいきます。

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