府中市美術館へ行ってきました
19日の土曜日、府中市美術館へ「南蛮の夢、紅毛のまぼろし」展を鑑てきました。南蛮を描いた作家というと、川上澄生や粥川伸二をすぐに思いうかべますが、竹久夢二、鏑木清方、前田青邨、中村岳陵、川崎小虎などの大家の作品も展示してあり、なかなか見応えのある企画展です。やはり、長崎版画に魅了され南蛮物や紅毛人を数多く描いた澄生の作品が一番多く展示してありました。ほとんどが、鹿沼市立川上澄生美術館の所蔵のものですが、個人蔵の西洋人の男女が革に描かれている「泰西男女図」は初めて鑑た作品でした。
興味深かったのは、野田九浦作の「江漢画房」は司馬江漢が自ら銅版を制作している図で、後方右には銅版のプレス機が描かれており、左上の壁には江漢初の銅版画作品「三囲景(みめぐりのけい)」が掛けられています。また、司馬江漢とともに江戸時代の有名な銅版画家、亜欧堂田善を描いた太田天洋作の「亜欧堂先生」にも、田善の画房の様子が描かれており、「江漢画房」と同じように、自身の作品やプレス機が描かれています。目立たぬところにプレス機が描かれているのですが、そんなところに目をうばわれてしまうのは、長年印刷に携わってきた職業病かもしれません。印刷博物館に常設展示されている大槻玄沢著書の「六物新志」も展示してありました。印博でもそうですが、男女の人魚のページが見開きで展示されており、やはりこの見開きを見せるのが一番効果があるのだなと改めて思ったりもしました。
来館者もそれほど多くなく、朝10時の開館直後から昼過ぎまでゆっくり鑑賞することが出来、幸せいっぱいの半日を過ごしてきました。

