館長メッセージ

2007年12月13日

博物館は地域から

わたしたちの博物館は、東京の文京区にあります。まったくの都心ですが、ほかのスポットのように、全国的に話題になることはまれです。でもじつは、都心のどまんなかで、文(ふみ)の京(みやこ)というとおり、優雅でおちついた町です。

文京区には多くの文化施設があります。博物館、美術館、庭園そのほか、いまは28にもおよぶ施設が、それぞれの活動で、注目されています。わたしたちも、その一員としてネットワークを組み、文京の香りを高めるために努力しています。

「文京ミューズネット」といいます。ガイドマップをつくりました。区役所や当館でも、無料で配布しています。つい昨今では、ほぼ全施設が共同して、ブースを出展するというイベントをしました。「文京ミューズフェスタ」。会期が終わってからのご報告でごめんなさい。来年も、それにつづくイベントを計画しています。

わたしたちの博物館は、同僚のほかの施設とともに、地域社会とのふかい結びつきのなかで、成長したいと願っています。文京区はその舞台のひとつです。どうか、近隣や遠隔のみなさん、連携と支援とをよろしくお寄せください。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。