館長メッセージ

2010年1月21日

博物館の出初めです

2010年、博物館にとって出初めの企画は、「ビジネス文明開化」です。昨年に始まった「印刷博物館 コレクション展」の第2弾。

今回は、明治初年のビジネスにおける、印刷物の役割について考えます。経済学への基礎的指南をめざす出版物。会社経営の基本となる簿記法のガイドブック。消費市場の活性化をうながす引札。そして清新の意気に燃える産業活動を描く錦絵。これらの背後には、日本で出発したばかりの近代印刷の姿がみえます。印刷はいつもビジネスと手を携えていたわけです。

さして大きな企画展ではない、ミニチュア版ですが、細工と工夫をこらした展示がみられます。どうか皆さん、ふるってお運びください。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。