館長メッセージ

2010年9月7日

博物館は、10歳になります

今年の10月7日、印刷博物館は創立10周年を迎えます。子どもであれば、小学校の4年生。ひとつ、ふたつ、みっつと歳をとり、ここのつを終えると、10歳で「つ」がとれるといいます。つまり、ようやく大人の仲間入りの準備ができるということ。

よちよち歩きをつづけて、印刷博物館もようやく一人前になろうかとしています。この10年間のうちに、多くの皆さんから応援と指導をいただきました。あらためて、心からのお礼を申しあげます。

さて、つぎの10年間に向けて、わたしたちはいろいろと抱負をいだいています。なによりも、社会にたいして開かれた公共性の高い施設として、対話の精神を重んじたいと考えます。印刷という営みが、文化にたいしてはたした、役割とその責任とを自覚すること。そして、その姿をできるだけ正確に、そして深さと平易さをあわせ表現すること。そのうえで広い対話に参加したいと願っています。

どうか今後ともよろしくお願いします。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。