館長メッセージ

2010年12月7日

世界のブックデザイン 2009-10

とうとう、今年も師走になりました。このところ1年が過ぎるのが、あまりに早くて…。困ったものです。

いま印刷博物館では、「世界のブックデザイン 2009-10」展がおこなわれています。本のデザイン展!

人によると、本にはデザインなど不必要と考えるかもしれません。問題は中味なのだからと。いまごろの情報はコンピューターをとおして送られるのだから、デザインは余計な飾りものだと。

それも一理あります。でも本には形や色や重さがともなっています。中味にぴったりとはまったデザインが伴ったとき、わたしたちはどこか幸せな気分になって、本をいつくしむチャンスを楽しむことができる。そんなことではないでしょうか。世界中の7つの国から、よりすぐりのブックデザインがこの展覧会に参加しています。

師走の忙しい日、ちょっと印刷博物館に立ち寄って気分を静めてみませんか。年末は12月28日(火)まで開館しています。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。