館長メッセージ

2011年9月2日

この懐かしい商品パッケージたち

「日本のロングセラー商品展」が始まりました。会場をひとわたりご覧いただければ、たちどころにその魅力の理由をご推測いただけるのではないかと思います。なにしろ、ほんとうに懐かしいパッケージが、一堂に会しているのですから。

印刷博物館の展覧会ですから、商品の中身はさしあたり別問題です。ポイントは、商品の包装のあり方。じつは、パッケージデザインこそ、印刷文化の粋をあらわしています。商品の味や使い勝手を、たくみに表現できるようなデザインをめざして、何十年も、いや何百年も努力が積みかさねられてきました。そのいくつかは、かならずやお店か自宅かで見おぼえがあるはずです。

日本パッケージデザイン協会の創立50周年を機に、ロングセラー商品の外側の顔が、出揃います。どうか新たな目で、商品デザインと日本文化の密接な関係をたしかめていただきたいのです。ご来場をお待ちしています。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。