館長メッセージ

2012年6月5日

グラフィック表現への「挑戦」

今年も、グラフィックトライアルの季節がめぐってきました。好評をいただき、今回で7回目となります。

グラフィックと印刷との結びつきを、できるだけ広い角度から確かめようとする試み。「オフセット」という技法をゆるやかな共通点としながら、そこからのさまざまな可能性を探っていきたいとの願い。わたしたちの出発点はそこにあります。

印刷博物館は、古今東西の印刷の営みを探索して展示に投影してきましたが、つねにその最前線の動向をも視野におさめようとしてきました。ここでは、クリエーターと印刷現場のプリンティングディレクターとが、協調しつつチャレンジする姿のなかに、「印刷のいま」をご覧いただけたら幸いです。

今回は1組と3名のクリエーターが、印刷実験に乗りだします。著名なグラフィックデザイナーの、あっと驚くような試みをはじめとして、多様な表現手法をご覧においでいただけるでしょうか。共通の主題は、「挑戦」。その成否のほどについて、ご感想をお聞かせください。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。