館長メッセージ

2013年8月30日

広告美術の最高峰を!

アメリカ合衆国ニューヨークに本拠をおく、現存する世界最古のアーティストたちのクラブ、「アートディレクタークラブ(ADC)」。広告美術作家の合同組織であるこのADCが、創造レベルの向上を掲げて、20世紀の初めから続けてきた公募展覧会です。

世界最高レベルといわれる展覧会では毎年、デザイン、写真、イラストレーション、モーション、インタラクティブ、アドバタイジング、インテグレイテッドという7部門で、コンテストが行われてきました。一万点もの応募作品から、斬新な作品がブラックキューブをはじめとする年度賞を受けます。

P&Pギャラリーでは、その入賞作品展を開催いたします。2012年の受賞作や日本人の作品を中心としてご覧いただきます。ADC展自体がこの分野の最高峰にあたることもあって、広告美術やグラフィックの現在を、みごとに表現しているように思われます。

21世紀のグラフィックは、これからどこに向かうのでしょうか。それを推測させてもくれるはずです。ADC展入選作品展は、昨年までアド・ミュージアム東京で開催されてきました。本年は、当館でご覧いただきます。みなさまのお越しをお待ちしております。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。