館長メッセージ

2015年12月4日

「世界のブックデザイン展」の季節です

今年も〈世界のブックデザイン〉展の季節となりました。第14回にあたります。そのたびごとに、有益なご意見などをいただき、感謝しております。

さて今年のブックデザイン展も、世界各地からのコンテスト入選作と、日本の造本装丁コンクールの入選作とをあわせ、ほぼ200点の作品を展示します。例年のことながら、各国を代表するそれぞれの本造りの心配りに、あらためて感服させられます。

ことに今回は、あらたな動きに着目していただきたいと思います。それは、これまであまり注意をはらってこなかった国ぐに、つまりデンマークやチェコなど北欧、東欧地域の斬新なブックデザインが加わったことです。独特のデザイン感覚で知られる国ぐにのメッセージとして、耳を傾けたいものです。世界各地に、それぞれのユニークなブックデザインが存在すること、それは当然の理といえましょう。

今回も寒い季節の開催ではありますが、ぜひ印刷博物館へお出ましください。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。