館長メッセージ

2017年3月9日

印刷書体のできるまで

わたしたちは、ふだんから無数の印刷文字に接しています。けれども、その文字がどんな書体で印刷・表示されているのか、あまり注意を向けないのがふつうでしょう。新聞から書類まで、またはテレビからパソコンやスマホの画面までいろいろと。もちろん、その情報を発信する側は、どんな書体が読みやすく、どうすれば人の目を引きつけられるかと、さまざまに工夫をこらしています。

活字印刷が開発されてから何百年、書体の作り方は進化を続けてきました。折から、凸版文久体という新書体が発表されましたが、これを機会として、活字文字のデザインと製法をあらためて振りかえってみたいと考えました。新しい時代にとって、どんな書体がふさわしいのでしょうか。

みなさまのご来館をお待ちしております。どうかゆっくりと展示をお楽しみください。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。