館長メッセージ

2017年10月20日

キンダーブックの90年

月刊保育絵本・雑誌である『キンダーブック』は、1927(昭和2)年に創刊されました。今日まで刊行をつづけ、ここに90周年を迎えます。月ごとに届く新刊号を心待ちにする幼児たちの願いに、優しく応えながらの90年です。

いまわたしたちは、その足取りをたどり、子どもたちの夢の姿を想像しています。たくさんの童画や童謡にこめられた、それぞれの時代の世相や個性が、なまなましく再現できるのではないでしょうか。

いま隆盛をきわめる幼児文化の成り立ちを確かめるためにも、この絵本雑誌がはたしてきた役割を、振りかえりたいと考えました。冊子のページの隅ずみ、造本や装丁からは、作家・画家や編集者たちの熱い思いも、よみがえってくるようです。

この展覧会の開催にあたっては、じつに多くの方がたのお世話をいただきました。記して、感謝の意をお伝えさせていただきます。また、観覧の皆さまにおかれましては、どうかふるってご感想やご意見をお寄せくださるよう、お願い申しあげます。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。