コレクション

申辰 明治三十七年 暦

収蔵品

1904年制作/サイズ:80×269mm(横×縦)

資料番号:77138

明治三十七年、凸版印刷が発行した絵暦。浅井忠によって描かれました。凸版印刷では、明治三十六年の川村清雄にはじまり、この年の浅井忠、この後の中村不折とつづく数年間、洋画家に依頼して絵暦を発行し、販促物として配布しています。
浅井忠の弟子である、画家・石井柏亭は『浅井忠 画集及び評伝』のなかで、この絵暦について「美術的絵暦としてはこれがおそらく先駆であらう。それは細長い特殊の形をした小冊子に女と題した図案十二ヶ月を画いたもので、暦の形を借りた一つの画譜と見る可きものであつた。」と評しています。
柏亭が書いたとおり、短冊を綴じたような冊子で、右ページに女性の絵、左ページに略暦が配され、見開きで1か月となる構成で、アールヌーヴォの影響を受けつつも日本画でもあるような女性像が描かれています。印刷は石版印刷。5色のカラー印刷です。浅井忠の隣人で凸版印刷の初代社長であった河合辰太郎による依頼によって制作されたものと思われます。