企画展-特集
2021年4月17日(土)→ 7月18日(日)
(主催)凸版印刷株式会社 印刷博物館 (協力)実践女子大学図書館、国文学研究資料館、大本山石山寺
みどころ
古典文学と出版印刷の関りを3部構成で検証していきます。
第1部みどころ
必見!幻の源氏物語絵巻の「再会」、
関東初の<紫式部聖像>公開
江戸初期に出版された『源氏物語』『徒然草』などの古典作品を紹介します。印刷本が広がりはじめたこの時期、奈良絵本や絵巻のように美しい手写本も引き続き作られていました。なかでも国内外に散佚 し、「幻の源氏物語絵巻」とよばれる盛安本のうち、2年前にフランスで発見された「夕顔」断簡がついに里帰り!「末摘花」上巻(大本山石山寺所蔵、重要文化財)と350年ぶりの「再会」を果たします。あわせて、作者である紫式部の最古の肖像画も関東初公開します。貴重な『源氏物語』各書が作者の姿とともに一堂に会す、またとない機会です。
紫式部聖像 室町前期 大本山石山寺蔵
盛安本源氏物語 夕顔断簡 1650年代 フランス個人蔵
重要文化財 盛安本源氏物語絵巻 末摘花上巻 1650年代 大本山石山寺蔵
第2部みどころ
江戸文学発展の軌跡を、
出版現場とともにたどる
木版術の進歩とともに、江戸文学は浮世草子、浄瑠璃本、句集、洒落本、滑稽本、読本、赤本・青本・黒本、黄表紙、人情本と、バラエティに富んだ様相になります。古代から続く古典文学の影響を受けた江戸文学書を中心に、創作の源泉になった本や出版・流通の現場にフォーカスします。教養書、地誌、絵手本、浮世絵、番付、引札など、文学をめぐるさまざまな印刷物が会場を彩ります。
青本 匂袋 1774年
浄瑠璃本 義経千本桜 1822年以降
明朝紫硯 序刊 1746年
第3部みどころ
現代の私たちの「読書」のルーツにふれる
明治期に入り、近代化の機運が高まるにつれ物語の中身も影響を受け変化していきます。海外文化の流入や言文一致の文体誕生により、現代につながる読書の基盤が築かれたのです。翻訳本や辞書、教科書、新しい小説の発表の場となった雑誌を通じてその過程を追っていきます。
魯敏孫漂流紀略 1857年
雑誌 ホトトギス
小学読本 高等小学校 巻8 1897年