館長メッセージ

2008年8月1日

「ポップアップ絵本」へのお誘い

ポップとアップという言葉を聞いただけでも、なにか心がはずむような気になります。じっさい、本のページをめくると、絵がとびあがってきます。

もとは、天文や解剖の書物から始まったとのことですが、なんといっても絵本にもってこいです。夢をかさあげしてくれるからでしょう。大人にとっても、子どもにとっても。

近年、高度で精巧な作品も現れて、広く注目されているポップアップ絵本ですが、よく見ると、簡単ながらもじつに巧妙な仕組みがかくされていることが分かります。どのように工作するのでしょうか。じつは、大事な部分は、細かな手作業でできあがるのです。

P&Pギャラリーでは、盛夏恒例の「できるまで」シリーズとして、今回はこのふしぎなポップアップをご紹介しています。あわせ、近年話題の作品も展示しています。どうかお誘いあわせのうえ、ご来館ください。お待ちしています。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。