印刷工房
活版印刷の保存や伝承、研究を行っています。
15世紀に確立された活版印刷術は、長きにわたり文字印刷の主流とされてきました。しかし、その技術は現在失われつつあります。印刷工房では、その保存と伝承や研究活動を行っています。また、印刷体験や工房見学ツアーを通した活版印刷の普及にも取り組んでいます。あわせて機械の展示や欧文書体のアーカイブを年表などで紹介しています。
印刷機 / 機器設備のご紹介
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ベントン父型母型彫刻機1885年にリン・ボイド・ベントンが発明。パントグラフの原理を用いて活字の父型と母型が彫刻できます。
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手回し活字鋳造機1843年にデイビッド・ブルース・ジュニアが発明。改良を加えつつ、さまざまな国で生産され、近年まで使用されてきました。
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スタンホープ印刷機1800年頃にチャールズ・スタンホープにより考案された、史上初の総鉄製手引き印刷機。
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アルビオン型印刷機原型は1820年にリチャード・W・コープが考案。その後、多くの印刷機メーカーで製造されました。
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B型硬券印刷機自動改札機が普及するまで使われていた切符(硬券)を印刷する印刷機。
B型硬券は主に大都市圏で使用された。 -
自動凸版校正機 SA380文字組版の清刷り、メタルベースを使用しての感光性樹脂版、亜鉛凸版、銅凸版などの校正に用います。
その他設備のご紹介
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活字
外部倉庫を含め、600書体以上を所蔵しています。
和文:明朝体、ゴシック体、正楷書体、教科書体、アンチック体
欧文:グーテンベルクのブラックレター(レプリカ)、ベンボ、アッリギ・イタリック、ガラモン、バスカービル、ボドニ、アクチデンツ・グロテスク、フツーラ、ユニバース、パレス・スクリプト、クラレンドンなど -
マニュアル
国内外の各種見本帖を所蔵・管理し、研究にいかしています。
印刷工房ギャラリー
印刷工房では、実際に活字に触れて印刷の体験をしたり、活版印刷の道具類を間近でご覧いただくことができ、500年にわたる活版印刷の歴史を実感していただけます。
活版印刷体験専用の作業台(植字台)で活字を使った組版作業を行います。
ぎっしりと並んだ活字。ここに並んでいる活字は所蔵している活字の一部です。
写真の小型卓上活版印刷機を使って活版印刷体験を行います。
展示室にある印刷工房の欧文書体アーカイブでは、印刷工房にあるさまざまな形の書体を時代順で紹介しています。活字書体の世界をより深く学んでみましょう。