館長メッセージ

2009年1月22日

「キリル文字をポスターに」展覧会におでかけください

今年2009年に、日本とブルガリアはめでたく国交再開50周年を迎えました。私たち印刷博物館では、それを祝ってブルガリアで生まれた-「キリル文字をポスターに」展を開催します。キリル文字は現在、スラブ系の諸言語を表記する文字として使用されていますが、もとはキリル・メトディー兄弟によって西暦9世紀に創始されたグラゴル文字に起源をもちます。その後兄弟の弟子たちがブルガリアにおいて、より簡略化したキリル文字をつくりました。

この展覧会では、キリル文字30種をデザインした30枚のポスターをご覧いただきます。ブルガリア本国はもとより、広く世界を代表するグラフィックデザイナー30人が参加してくださっています。ブルガリアは遠い国ではありますが、ヨーグルトやバラ香水などで、じつは日本とのあいだに密接なつながりがあります。キリル文字をとおして、両国の友好関係がさらに増進することを心から祈念しています。

今年はまた「日本・ドナウ交流年2009」にあたります。本展はその記念行事の一環です。ドナウ川はブルガリアの平原を豊かに流れていますが、その情景を想いえがきながら、ドナウ諸国と日本のあいだの親善と交流がより発展することを願いたいと思います。

多数の皆さまのご来館をお待ちしています。

印刷博物館館長

樺山 紘一

過去の館長メッセージを見る

館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。