館長メッセージ

2009年10月17日

世界のブックデザイン2008-09

今年も、ブックデザイン展の季節となりました。読書離れがとりざたされる昨今、本の魅力をあらためて唱えよう。そのためには、中身を豊かにするとともに、外見も美しいことが必要です。ブックデザイナーたちは、いま必死で努力しています。その姿をご紹介したいと思います。

今回は、ドイツ主催の「世界でもっとも美しい本」コンクールの入選作、それにオランダ・イギリス・フランス・中国・日本の6カ国から選考された作品、あわせて240点の力作が、世界中からやってきました。

たしかに、それぞれの本は別々の言語で書かれています。内容を詳しく理解することは、とても困難です。けれども、装丁や挿画のヴィジュアルは、不思議な訴える力をもちます。ブックデザインは、万国共通の言語だといえるかもしれません。グローバル化する世界でこそ、その言語によって会話を楽しみたいと思います。

世界中から、多数の作品がつどう場所へぜひお越しください。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。