館長メッセージ

2011年11月10日

ブックデザイン展へどうぞ

読書の秋もたけなわ、毎年わたしたちはこの季節にまじめに書物について考えようと、ブックデザイン展を開いてきました。今年も11月12日(土)から来年の2月19日(日)までということになります。

本の中味をさしおいて、デザインだけをとりあげるとは何事かとお叱りをうけるでしょうか。いえ、わたしたちは中味もデザインも、おなじように本の必要条件だと考えています。美しい本、惹きつける書物とはなにかと、頭と眼をめぐらせることも、楽しい営みではないでしょうか。

日本で毎年おこなわれる造本装幀コンクールの入賞作品をはじめ、ドイツで主催される「世界で最も美しい本」コンクールの入選作品が勢ぞろいします。それにオランダ、スイス、中国、カナダ、そしてオーストリアからの、それぞれの優秀作。あわせておよそ240点の「美しい本」に出会うことができます。

ぜひとも、読書の秋をゆたかに過ごすためにも、ゆっくりと印刷博物館P&Pギャラリーをお訪ねください。お待ちしています。

印刷博物館館長

樺山 紘一

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館長プロフィール

印刷博物館館長

樺山 紘一

1941年、東京生まれ。1965年、東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了後、1969年から京都大学人文科学研究所助手。1976年から東京大学文学部助教授、のち同教授。2001年から国立西洋美術館長。2005年から印刷博物館館長、現職。専門は、西洋中世史、西洋文化史。おもな著作に『異境の発見』、『地中海、人と町の肖像』、『ルネサンスと地中海』、『歴史のなかのからだ』、『西洋学事始』、『歴史の歴史』、『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』など。