コレクション

「懐古東海道五十三驛之真景」

収蔵品

1891年(明治24年)制作/サイズ:224×295×20mm(横×縦×厚み)

資料番号:01296

この画帖は明治24(1891)年から25(1892)年にかけて発行された版画をまとめたものです。
原画は夭折の洋画家、亀井竹二郎によって描かれました。兄は石版画の名手と言われた亀井至一。兄と同じく横山松三郎に西洋画を学び、明治7(1874)年に松田緑山がはじめた銅・石版印刷専門の玄々堂では兄とともに仕事をしていたようです。早くからその画才を認められ、蜷川式胤の企画により明治という新しい時代に変わりゆく東海道の風景を五十三枚の油画にして残しました。
この画帖は、竹二郎が亡くなってから十三年後に当時有力な版元であった大山周蔵によって発行されました。竹二郎の油画をもとに、徳永柳洲と町田信次郎の二人によって石版画にされ印刷されました。序文には「此真景は明治の初年有名なる故亀井竹二郎先生が実地遊歴幾多の辛苦と精励により写生せしもの」とあります。この写生旅行の無理がたたり、竹二郎は胸を患い制作の翌年である明治12(1879)年に二十三歳という若さで亡くなっています。
十三年を経てもなお石版にされ販売された絵画。竹二郎の才能が周囲から愛され、惜しまれたことがうかがえます。