コレクション

『YANK』 THE ARMY WEEKLY

収蔵品

1945年制作/サイズ:360×790mm(横×縦)

資料番号:33260

『YANK』は第二次世界大戦中にアメリカ陸軍が発行していた週刊誌で、世界の17カ国で21版発行されていました。この号は9月2日に、東京湾に停泊していたミズーリ号の艦上で行われた太平洋戦争の降伏文書調印式の様子を特集しています。1945年9月といえば、日本は敗戦間もない時期ですが、裏表紙の印刷所名は「Printed at Toppan Printing Co., Ltd」(凸版印刷株式会社)と記されています。
戦後間もない日本の印刷会社が、アメリカの週刊誌を受注するきっかけとなったのは、戦時中印刷していた海外宣伝用グラフ誌『フロント』でした。軍部の宣伝用グラフ誌であるために『フロント』の印刷は、表紙はオフセット4色刷り、本文は当時最新鋭のドイツ製グラビア印刷機で、特需扱いでかき集められた資材をもって印刷されました。アメリカ軍はこの印刷が立派なことから、戦時中から同社の存在を承知しており、進駐後いち早く同社を訪ね、発注したそうです。
この他にも、アメリカ進駐軍からは、地図の印刷や『Newsweek』極東版のような週刊誌などを受注することとなりました。こうした仕事がその後の日本における週刊誌ブームを支える基礎となったのです。