コレクション

アメリカの代表的な写真週刊誌『LIFE』は1936年に創刊されました。創刊されるやいなや、たちまち25万部を売り切り、創刊後半年で発行部数100万部を超えるという盛況振りでした。その後、フォト・ジャーナリズムを確立するなど編集面での充実、料金値上げによる広告収入の安定が進み、アメリカ雑誌の中心的な存在となりました。
しかし、1940年代末に登場したテレビが50年代半ばに普及するに従い、広告主の雑誌離れが進みました。これにより『LIFE』は、テレビ視聴者数に匹敵出来る程の大多数の読者を獲得し、それを強みに広告料の値上げを行うという作戦に出ます。年間購読者への料金値下げなどで購読者獲得を進め、一時は発行部数が850万部に達しましたが、そのほとんどが年間購読者によって占められていました。こうした状況を「年間購読者は値下げ料金に食いついただけで、本当の読者ではない」と広告主に否定的にとらえられ、広告収入はますます減少していきました。結局、購読料値上げに踏み切るも、安値に飛びついた読者の大半が離れていく事態となってしまい、さらに追い打ちをかけるように、雑誌郵送料の大幅な値上げが行われることにより決定的な打撃を受けた『LIFE』は1972年休刊に追い込まれました。