コレクション

『マッセズ』(第1巻・第4号)

収蔵品

1948年(昭和22年)制作/サイズ:182×260mm(横×縦)

資料番号:63036

対外宣伝誌『FRONT』を発行した東方社が戦後解散し、「宣伝」の意義と影響力に対する希望と信頼を失った社員たちが、新しく興した出版社〈文化社〉から発行された月刊グラフ雑誌。1946年12月に創刊されました。(ただし、この文化社は経営が行き詰まり、『マッセズ』創刊号の準備中に発行権と文化社の社名が譲渡されました。)
本誌の目指すところは、『マッセズ』というタイトル、そして「働く人のグラフ」(4号では「民衆のグラフ」)という副題から想像されるとおり、新しい時代にあって、東方社でつちかったグラフィックデザインの技術を元に、大衆の意見を酌みとり発信していくことでした。
戦後まもなくはほとんどの物資が統制され、多くの出版物が統制外の粗悪な仙花紙に印刷されていたなかで、写真を中心としたグラビア刷りのビジュアル雑誌を発行することができたのは、東方社が民間会社だったため、残っていた紙やインキを使うことができたという理由もあります。
レイアウトは東方社時代、『FRONT』で、巧みなレイアウト技術を披露した原弘のもとで、レイアウトの技術を学んだ多川精一が担当。第1号は正方形の判型で発行されましたが売れ行きが思うように伸びず、書店で嫌われるという理由で、4号からB5判に変更されました。