コレクション

『観察繪本 キンダーブック』(第七輯第六編)

収蔵品

1934年(昭和9年)制作/サイズ:256×320×2mm(横×縦×厚み)

資料番号:27417

大正3(1914)年に創刊された『子供之友』、大正11(1922)年の『コドモノクニ』に続く児童向けの雑誌で、昭和2(1927)年11月に創刊されました。
大正15(1926)年4月に発布された幼稚園令では、それまでに制定されていた「幼稚園保育及設備規定」の項目に「観察」が新たに加わりました。この「観察」については、いろいろな議論がありましたが、小学校の理科の授業とは異なるもので、日常生活の中で目にするさまざまな自然や事柄に関する観察と捉えられました。
こうした中、『キンダーブック』第一集第一編「お米の巻」は発行されました。大変好評で、翌年3月に発行された第一集第二編「乗り物の巻」は10万部を売り切ったと言われています。
『コドモノクニ』が芸術的な絵本だったのに対し、本書は「観察絵本」とタイトルに付いているように、観察する具体的な材料を提示し、教育の現場において手引きとなる実用的なものでした。また、販売方法も独特で、書店では販売せず、幼稚園が取り扱う絵本として直接販売しました。
『キンダーブック』は昭和4(1929)年4月から月刊化され、現在に至るまで86年にわたり発行されています。