コレクション

『色圖問答』

収蔵品

1878年(明治11年)制作/サイズ:141×205×3mm(横×縦×厚み)

資料番号:01100

明治初期の色彩に関する解説書です。小学校の教科書として実用されていたと思われ、当館で所蔵するものは明治11(1878)年の印行になっています。
明治6(1873)年に文部省直轄の師範学校は「下等小学教則」を制定し、八教科を編成しました。その中の一つである「問答」という教科で使われていたと考えられます。
写真をみると現在のカラーチャートのように見えますが、木版刷りの和本で、色は手彩色によるものです。内容は、問「日光二幾色アリヤ」答「七色アリ」、問「七色ハ何々ナルヤ」答「紫紺青緑黄柑色赤ナリ」といった具合に、先生と児童が問答を繰り返すように展開していきます。
明治19(1886)年に教科書の検定制度が始まったこともあり、『色圖問答』の刊行は続かなかったようです。しかし、色彩教育が、他の多くの分野と同じように明治維新を経て欧米から入ってきた考え方であること、またそのことが印刷物によって社会に広まっていったということを、この資料は伝えてくれます。