コレクション

『国華余芳』

展示中

1881年(明治14年)制作/サイズ:252×335mm(横×縦)

資料番号:36543

明治12(1879)年5月から約142日間にわたり、印刷局長、得能良介はお雇い外国人として日本の紙幣や証券の印刷を手がけたエドアルド・キヨッソーネら12名を随行し、近畿地方を中心に古美術調査旅行を行いました。この調査旅行は当時、日本の美術品の海外流出が多かったことから、文化財の記録をきちんと採ることが目的でした。
この成果をまとめたものが「正倉院御物」「伊勢内外神宝部」「古書之部」の三部からなる『国華余芳』です。『国華余芳』は、石版多色刷りで印刷されており、本物を忠実に再現した極めて精巧な印刷物です。「伊勢内外神宝部」には色玉がついた、校正刷りを製本したと思われるものがあり、それによると多いもので16度刷りがされているのが分かります。
得能良介は明治13(1880)年1月『国華余芳』の序文に「図成て国華余芳と題し、之を工場製品の儀範となし、以て世に広め、愛国の志操を培養するの具と為んと欲す」と記しています。印刷を業とする人々にとって、この精巧優美な『国華余芳』は刺激となったことは間違いありません。