コレクション

「富士見十三州輿地全図」

収蔵品

1842年(天保13年)制作/サイズ:1750×1540mm(横×縦)

資料番号:01369

「富士見十三州輿地全図」は富士山が見える国(地域)を主題にした絵図です。1842(天保13)年に衆星堂から刊行され、のちに再版されました。
描かれた地域は関八州(武蔵、相模、下総、上総、安房、常陸、下野、上野)と甲斐、信濃、遠江、駿河、伊豆の13国。絵図内には村名、寺社、温泉や古戦場、関所、道路、名所旧跡だけでなく、各地の代表的な山の名前も記されており、富士山に目を向けると真上から見た平面図のようになっています。
本資料は木版色摺で、広げると畳2枚分ほどの大きさになります。とても大きな絵図のため、版木から摺り上げたものを何枚もつなぎ合わせており、携わった職人たちの苦労が偲ばれます。
戦乱の無い平和な世が訪れ、交通や宿場の機能が整うと、江戸後期には進行や物見遊山の旅が盛んになりました。また旅にまつわる印刷物も数多く登場しました。
印刷物に目を向けてみると富士山は本資料に限らず、「富嶽三十六景」といった錦絵などにもランドマークとして描かれています。現代ではビルが立ち並び富士山を身近に見ることが限られますが、当時の人々にとって身近で大きな存在であったのでしょう。