コレクション

「銅版萬国輿地方図」

収蔵品

1846年(弘化3年)制作/サイズ:332×1210mm(横×縦)

資料番号:75337

「銅版萬国輿地方図」は、弘化三(一八四六)年に永井青崖によって刊行された方形の世界地図で、巻子仕立てです。世界地図は銅版刷で、銅版画家の安田雷洲が手がけています。メルカトル図法が用いられ、日本で刊行されたメルカトル図法による方形世界地図では、初期のものです。以後日本において方形世界地図の礎となったといわれています。
本史料は天保十(一八三九)年にイギリスで発行された双円図に基づいて製作され、ヨーロッパで刊行された地図が日本でも七年ほどの歳月で翻刻されていることがうかがわれます。また、地名はカンペンやストラボンの著書から補ったことが記されています。北緯は八十度、南緯は六十度までを範囲として、南極大陸は描かれていません。世界地図の上には四つの円形略図を掲載し、世界地図とともにアジアが赤色、ヨーロッパが黄色などといったように色分けされています。
永井青崖は福岡藩の家臣で、幕末の三舟の一人勝海舟に蘭学を教えた人です。福岡藩では黒田斉清・長溥の二代にわたって蘭学に力を注ぎ、斉清・長溥はシーボルトに教えを受けています。また、長溥は洋学を導入し、近代化への路線を推し進め、官・民へ人材を輩出しました。