コレクション

「嘉永新増 大日本国郡輿地全図」

収蔵品

1849年(嘉永2年)制作/サイズ:241×185×6mm(横×縦×厚み)

資料番号:01372

高柴英三雄が手掛け、蔦屋吉蔵から1849(嘉永2年)に出版された日本図で、広げると天地710mm、左右1,445mmの大きさになります。色彩に富み、コンパスローズ(羅針図)といわれる方位を示した円盤が4箇所描かれ、国名や郡名の他に城下や陣屋、往還、神社仏閣、河川・湖池などを数多く掲載。日本列島の形は歪んでおり、特に四国、九州の形の歪みが大きくなっています。緯線と方角線が引かれており、江戸時代後期に人気を博した長久保赤水が手掛けた地図(赤水図)がベースになっているかと思われます。
高柴英三雄は、江戸図や江戸城下を幾つかの近郊区域で分割した江戸切絵図(近吾堂版)など各種絵図を江戸後期の弘化・嘉永年間(1844~1854年)に編集しています。版元の蔦屋吉蔵は、江戸後期から明治期にかけて活躍した江戸南伝馬町一丁目の地本問屋。蔦屋重三郎の別家で、合巻や錦絵などの大手版元の一角をなしました。絵図上部には江戸から全国の城下・陣屋までの道のりをまとめた一覧表が記されており、地本問屋から出版された一面がうかがえます。