コレクション

『小学国語読本』

展示中

1932年(昭和7年)制作/サイズ:212×152×5mm(横×縦×厚み)

資料番号:03573

『小学国語読本』は、教科書の歴史において新しい時代を築きました。それは、この教科書から表紙、挿絵ともに色刷りとなったからです。また、文部省活字(教科書体活字)がはじめて使用されたことも画期的でした。
1932(昭和7)年に文部省が編集し、第四期国定国語教科書として、1940(昭和15)年まで尋常小学校で使用されました。国定教科書とは、一教科につき国が定めた単一の教科書で、1903(明治36)年から1945(昭和20)年の終戦に至るまで、五期にわけて発行・使用されました。
「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」で始まることから、「サクラ読本」とも呼ばれています。このように、冒頭は文章で始まっていますが、それまでの国定国語教科書は、単語から始まっており、変化が見られます。また、内容についても、これまでの国語教科書とは異なり、文学的な内容が重視され、国民思想を教化する意図が盛り込まれました。