コレクション

アシェンデン・プレス『聖クララ(キアラ)の生涯』

収蔵品

1921年制作/サイズ:154×208×16mm(横×縦×厚み)

資料番号:20700

イタリア・アッシジ生まれの聖人クララの生涯を記した一冊。聖クララはカトリック教会の修道士・聖フランチェスコに最初に帰依した1人で、フランシスコ会の女子修道会クララ会(キアラ会)の創始者です。フィレンツェの詩人ウゴリーノ・ヴェリーノが1496年にイタリア語で記した写本を、英国私家版を代表するアシェンデン・プレスが初めて印刷本にしました。
プレスの主催者セント・ジョン・.ホーンビーが1918年にサザビーズから写本を購入し、ロンドン大学のフランシスコ会研究者であるウォルター・シートンが序論と註釈を加えました。改訂を加えつつ、写本に倣いイニシャルを青、頭書きを赤で印刷しています。さらにヴェラムにコロタイプ印刷した写本の複製が、序論の後に2葉挿入されています。活字はエメリー・ウォーカーがプレスのためにデザインしたスビアコ体が使われ、イニシャルはグレイリー・ヒュイットがデザインしました。
アシェンデン・プレスは主に古版本を含む印刷本を底本に出版活動を展開しましたが、本書は写本を底本にした珍しい一冊といえるでしょう。