コレクション

ティセラ「日本図」

収蔵品

1595年制作/サイズ:550×440mm(横×縦)

資料番号:21114

コロンブスやマゼランらによる大航海の偉業は、当時のヨーロッパに、さまざまな情報や産物をもたらし、知識を広げる結果となりました。ここに紹介する「日本図」はその一つともいえます。
大航海による新航路の発見が、新たな世界観を広げ、その情報を盛り込んだ数多くの世界地図が製作されました。その一つともいえるこの「日本図」は、ディセラにより製作された、日本を中心に描いた地図で、オルテリウスによって刊行された、ヨーロッパで最初の近代的地図帳『世界の舞台』に掲載されたものです。
製作には、銅版印刷術が用いられています(ただし手彩色)が、この印刷術は、15世紀にヨーロッパで生まれた新しい技法で、地図をはじめ、多くの図版印刷に用いられました。
大航海と、新しい印刷技術が生みだしたともいえるこの「日本図」は、北海道が描かれていないなど正確さに欠けてはいますが、当時のヨーロッパの人々に、日本という国を認識させる大きな役割を担っていたのです。