コレクション

ジャック・デ・ヘイン2世「剣と盾を持つ兵士」

収蔵品

1587年制作/サイズ:155×214mm(横×縦)

資料番号:76484

全12点からなる「ルドルフ2世の将校と兵士」と題した版画シリーズの1点。右手に大きなブロードソード(幅広の剣)を、左手に大きく丸い盾を装備した兵士が描かれたエングレーヴィング(ビュランによる直刻凹版)作品です。背景には同じ装備をした仲間の兵士たちが風景に溶け込んでいます。本シリーズでは槍やマスケット銃、太鼓や旗など、様々なモチーフを持つ兵士や将校が類似の構図で描かれ、画面下にはラテン語で2行詩節が施されました。
「HG」のアナグラムからヘンドリック・ホルツィウスが制作し、署名からジャック・デ・ヘイン2世によって彫版されたことが分かります。いずれも16世紀後半から17世紀初頭にかけてネーデルラントのマニエリスムから自然主義への移行期に活躍した版画家で画家です。
ジャック・デ・ヘイン2世は芸術家一家に生まれ、父親に師事したのち、ハールレムにあるホルツィウスの版画工房で1585年から約5年間にわたり学び、その後アムステルダムに移り、自身の作品や他の芸術家の版画制作に携わります。1600年頃に画家に転向するまで、ハッチング(複数の平行線による描画)や点描のつけ方など、彫刻の様式は師であるホルツィウスから多大な影響を受けました。