コレクション

『舎密開宗』初編

収蔵品

1837年(天保8年)制作/サイズ:250×177×14mm(横×縦×厚み)

資料番号:21394

宇田川榕庵(1798-1846)が翻訳した日本で初めてとなる体系的な化学書です。天保8(1837)年から弘化4(1847)年にかけて全部で七編が刊行されました。
『舎密開宗』の「舎密」とはオランダ語chemieの発音を漢字で表記したもので、『舎密開宗』は化学入門書といった意味です。ところが本書の内容は本格的です。化学親和力から始まり、溶解、個・液・気三体、ガスの捕集、水の成分、炭酸ガスの製法に至るまで解説されており、巻末には実験の彩色図も載っています。
宇田川榕庵は本書の翻訳にあたり、英国のウィリアム・ヘンリーの原著などを底本としました。しかし、それだけではなく多くの蘭書・和漢書を参考にして、榕庵自身が実験もしているので、実質的には榕庵が著述したものといえます。
「舎密」は幕末から明治初年にかけては化学を意味する言葉となりました。また本書にでてくる水素、窒素、酸素などは、日本語の化学用語として定着しました。さらに大阪には、化学研究機関として「舎密局」が設置されました。
洋学、医学、薬学などに利用された『舎密開宗』は、日本の教育や産業の発展に大きな影響を与えました。