コレクション

『日本におけるキリスト教の勝利』ニコラ・トリゴー著

収蔵品

1623年制作/サイズ:145×190mm(横×縦)

資料番号:24930

1612(慶長17)年から20(元和6)年までに日本で行われたキリシタン弾圧の様子をヨーロッパに伝える書。なかでもラファエル・サドレルが描く16点の銅版挿絵は、宣教師や信徒への壮絶な拷問、殉教の様子をヨーロッパの人々の脳裏に強く印象付けました。著者ニコラ・トリゴー(1577年―1628年)は、フランス生まれのイエズス会宣教師。自身日本へ来たことはありませんでしたが、日本にいるイエズス会士から送られてくる書簡や報告書をもとに、本書をまとめました。
トリゴーは1610年に中国に渡り、南京、杭州、北京などで宣教しています。この間、杭州では印刷所を設け、教義書はじめ、数々の著書・訳書を出版しました。中にはキリシタン版時代の日本でも刊行されたギリシャ古典『イソップ物語』が含まれます。
新たな人材獲得に加え、財源確保のため、トリゴーは一度、中国からローマへ帰還します。書物収集もミッションの一つだったため、ローマから戻る船には7000冊の科学書が舶載されていました。うち少なくとも4000冊は現在、中国国家図書館に移管され、国の宝として管理されています。
さらに中国へ戻る際に、中国初の伝来となる望遠鏡を持ち帰りました。宣教にヨーロッパ近代科学を活用しようと考えたからです。ガリレオが望遠鏡を使って月を観察したのが1609年であることを考えると、ヨーロッパで普及間もない望遠鏡が、かなり早い段階で、アジアにまで来ていたことになります。