コレクション

『オランダの都市ハールレムの叙述と礼賛』(第三版)

収蔵品

1628年制作/サイズ:145×195×58mm(横×縦×厚み)

資料番号:40419

サミュエル・アンプジングによって書かれた本書(現タイトル:Beschriyvinge ende lof der Stad Haerlem in Holland:in Rym bearbeyd…)は、ハールレムの印刷者アドリアン・ロマンによって一六二八年に出版されました。
郷土を讃える出来事として、活版印刷がハールレムから始まったと本書では記しています。印刷工房の創始者として紹介されているのが、ラウレンス・コスターです。肖像画および1440年頃の印刷工房と称した銅版画が挿し込まれています。
コスターが活版印刷の創始者という説は、1588年に刊行されたハドリアヌス・ユニウス『バタヴィア』などに登場しており、ヨハン・フストがコスターの技術をマインツに持ち出したと記述しています。西洋式活版印刷の発祥を、マインツ(ドイツ)とハールレム(オランダ)で争う構図は、後の時代にも引き継がれました。真偽はさておき、活版印刷の発祥は、都市を称揚する重大事であると捉えられていたことが窺えます。