コレクション

「信州東山堂江戸出張看板之図」

収蔵品

江戸後期制作/サイズ:459×343mm(横×縦)

資料番号:29975

信州上田の海野(うんの)町(現在の長野県上田市)に本店を置く、薬種屋の東山堂が発行した引札(ひきふだ)です。引札とは、商店や商品の宣伝のために配られた一枚刷りの広告で、今日のチラシにあたるものです。
東山堂は、妙薬の疝積湯(せんしゃくとう)を主力商品として製造・販売していました。疝積湯とは、疝積(胸や腹、腰などのさしこみによる激しい痛み)を取り除くための煎(せん)じ薬です。この疝積湯を江戸で販売するため、江戸本町4丁目(現在の東京都中央区日本橋4丁目付近)に出店しました。店頭には、疝積湯と書かれた大きな看板が掲げられ、江戸の人々の目を引きつけました。
この引札は、江戸出店を宣伝するためにつくられたものです。右側には、遠くに富士山を望む形で、大看板を掲げた店の様子が描かれています。左側には、疝積湯の功能が記されています。単色摺りの引札が多かった当時、人気の高かった浮世絵師の歌川国芳が描き、多色摺りで仕立てられていたため、宣伝効果は高かったと考えられます。引札のほか、合巻(絵入り長編小説)にも広告を掲載しており、宣伝・広告に力を入れていたことがわかります。