コレクション

パントグラフ

収蔵品

サイズ:1550×800×2120mm(横×縦×厚み)

資料番号:33316

銅板を彫刻して版を制作する彫刻凹版は、株券、債券、紙幣等の有価証券に使用されてきました。パントグラフは、文字や図の原図や彩紋などの型版を縮小して銅板に描きながら彫刻する機械です。
彫刻の元となる原図や型版は、主に亜鉛板が使用され、約4倍大に制作されたものです。この原図に凹刻された線上を針でなぞっていくと、連結したアームのもう一つの針が銅板上で同様の動きをし、縮小された模様が彫刻されます。精細な図版を縮小するのにすぐれており、紙幣や切手などの版がこの機械によって制作されてきました。
日本では、明治期に紙幣や切手の印刷をおこなうために印刷局で導入されましたが、その後もその用途から広く普及したわけではありません。株券や債券などのセキュリティ性の高い印刷をおこなう印刷会社での限られた使用だったようです。