コレクション

駿河版『群書治要』

展示中

1616年(元和2年)制作/サイズ:190×277×12mm(横×縦×厚み)

資料番号:37412~37452

徳川家康は、朝鮮伝来の銅活字をもとに、林羅山と金地院崇伝に命じて、自ら銅活字をつくりました。この銅活字を用いて、二種の書物を印刷させましたが、その一つが『群書治要』です(もう一つは『大蔵一覧集』)。この活字は、主に駿府を舞台につくられたことから駿河版銅活字、印刷された書物は駿河版と称されています。
『群書治要』は、唐の太宗の勅命により、さまざまな古典の中から、治世に関する重要な事項を抜粋・編集したものです。日本には奈良時代に遣唐使によってもたらされ、以後帝王学の書として尊重されました。太平な世を築く上でも、学問が重要であることを強く認識していた家康は、治世の参考にと本書の印刷・出版を命じたのです。
全47巻が100部ほど印刷され、臣下に配られました。1616(元和2)年の5月末頃にできあがりましたが、残念ながら家康は、完成を見ることなく亡くなっています。
なお、今号の表紙に掲載している、当館所蔵の駿河版『群書治要』には、本文中の「林」の小文字が天地逆さまに印刷されているのが見て取れます。