コレクション
「鹿児島征討紀聞」
収蔵品
1877年(明治10年)制作/サイズ:720×365mm(横×縦)
資料番号:37784
1877(明治10)年に起こった西南戦争を描いた錦絵です。西南戦争は、鹿児島の不平士族が西郷隆盛を擁して、新政府に武力で反抗した、国内最後の内戦です。西郷隆盛は、倒幕・維新の立役者の一人として大変人気がありましたが、その西郷が反乱を起こし、亡くなったことに、多くの人々は衝撃を受けました。そのため、さまざまな絵師によって、西南戦争を題材とした錦絵が数多く描かれました。
この錦絵を描いた月岡芳年(よしとし)(本名は月岡米次郎)は、幕末から明治中期にかけて活躍した浮世絵師です。美人画、役者絵、武者絵、歴史絵など、さまざまなジャンルの作品を世に出したほか、錦絵新聞『郵便報知新聞』の絵も担当しました。また彼は、兄弟子の落合芳幾(よしいく)との競作による「英名二十八衆句」シリーズに代表されるように、血なまぐさい作品を多く描いたことで、「血まみれ芳年」とも呼ばれました。
芳年は、この錦絵を取材に基づいてではなく、想像で描いています。速報性には遠く、正確さにも欠けますが、この戦争についての情報を知りたい人々の関心、欲求に応えるものであり、報道としての役割を担ったといえるでしょう。