コレクション

『自然哲学の数学的諸原理』

収蔵品

1739年~1742年制作/サイズ:214×250×31mm(横×縦×厚み)

資料番号:41113~41116

アイザック・ニュートンの著作『自然哲学の数学的諸原理』こと通称『プリンキピア』は、惑星間の引力や地球上の重力が、「万有引力」というあらゆる物体間に働く統一の原理によって導けることを示すなど、古典力学の基礎を築いた書物です。1687年ニュートンが45歳の時に、天文学者のエドモント・ハレーの経済的援助を受け、初版となるラテン語版が出版されました。その後、1789年までに『プリンキピア』は解説書を含め、英語では40版、フランス語で17版、ラテン語で11版、ドイツ語で3版、またポルトガル語、イタリア語にも訳されたといわれています。
その中でも本書は通称Jesuit(イエズス会)版と呼ばれる版であり、ニュートンが生前最後に出版した第3版(1726年)に、フランシスコ会の修道士トマス・ル・シュールとフランソワーズ・ヤッケが詳細な注釈を加え、1739~42年に出版したものです。もととなる版が、全3巻 530頁、図形がおよそ300掲載されていたのに対し、注釈を加えた本書は全4巻 1673頁、図形がおよそ1200にまで膨らむものとなりました。写真は二点間に働く引力の例として、1680、81年に観測されたキルヒ彗星の軌道をニュートンが計算、模式図にて表している頁です。