コレクション

ボルドーネ「日本図」『世界島嶼誌』より

収蔵品

1528年制作/サイズ:198×307mm(横×縦)

資料番号:51434

単独の日本を描いた、ヨーロッパで最初に印刷された日本地図です。地図製作者のベネディット・ボルドーネにより1528年にヴェネツィアで刊行された地図帳『世界島嶼誌(せかいとうしょし) 』の中に掲載されています。
図版を見ると日本が東西方向に伸びた一つの島の形で描かれています。これはマルコ・ポーロが伝えた内容に基づいた想像の形です。マルコ・ポーロが日本を黄金の国として紹介して以降、日本はヨーロッパの人びとにとってあこがれの国となっていました。
本文は活版、図版は木版で印刷されています。都を示したと思われる西洋風の城が描かれ、中央左にはCiampaguと表記されています。なお、日本とヨーロッパ(ポルトガル)の人びととの出会いは、本書が刊行された15年後の1543年の鉄砲伝来時で、ヨーロッパでは日本の形についての詳細な情報はまだない状態でした。
方位は、地中海地域での伝統的な風の吹いてくる方向性に対応した名前で、その頭文字をあてています。北東が上になっておりGはグレコ、東はレバンテを示すL、南東はシロッコのS、南はオストロのO、南西はアフリクスのA、西はポネンテのP、北西はマエストロのMです。