コレクション

オールコック『大君の都』

収蔵品

1863年制作/サイズ:140×200×31mm(横×縦×厚み)

資料番号:51547

江戸時代に日本を訪れた外国人の中には、自ら見聞、体験したことを書にまとめ、刊行した人たちがいます。彼らは、日本を広く海外へと知らしめる上で大きな貢献をしました。本書の著者であるラザフォード・オールコックもその一人です。
彼は、幕末に駐在した初代イギリス公使で、1859(安政6)年に着任してから、1862(文久2)年に一時帰国するまでの三年間の滞在記録をまとめ、帰国後1863年に本書を刊行しました。当時の日本の社会、生活、風俗、風景などが、木口木版による多くの図版を交えて紹介されていますが、中でも興味を引くのが、自ら富士山に登った記録を詳細に書き綴っている点です。実は、オールコックは、初めて富士山登頂を果たした外国人でもあるのです。
江戸時代の日本が、外国人の目にどのように映っていたのかを理解する上で、本書は、ケンペルの『日本誌』(1727年)、シーボルトの『日本』(1832~1858年)、ペリーの『日本遠征記』(1856年)などとともに、名著の一つに数えられるでしょう。