コレクション

『The Green Fairy Book』

収蔵品

1892年制作/サイズ:135×190×25mm(横×縦×厚み)

資料番号:52918

アンドリュー・ラングによって集められ、ロンドンで出版された童話集。1889年から1913年にかけて、12の童話集を出版、計437の童話が収められました。本書「みどりいろの童話集」は、4番目に出版され、中には「3匹の子豚」など、現代にも伝わるお話しも収められています。
収集された童話や民話は、グリム童話などのヨーロッパ起源のものに留まらず、アフリカやアラビア地方、中国といったアジアにまで及んでいました。日本からも、「浦島太郎」「かちかち山」「舌切りすずめ」「花咲かじいさん」「さるかに合戦」などが翻訳され、取り上げられています。ヨーロッパの植民地進出を経て、世界中の文物が列強各国に集められる中、異なる文化に興味関心が寄せられていました。
ラングは書物の収集、装丁に関する著作があるなど、愛書家としても知られていました。本書を発刊するにあたり、タイトルの色で表紙を彩るなど、目にも鮮やかな印象を持たせています。
本書の挿絵の多くを手がけたのは、ヘンリー・ジャスティス・フォードです。本書内だけでも100点もの挿絵を一手に引き受けたフォードは、人間や動物をはじめ、天使や妖精、空想上の生物など、異なる題材を見事にまとめ上げました。フォードによって描かれた挿絵は、木口木版や写真凸版によって印刷され、子どもたちの空想を膨らませる助けとなりました。