コレクション

『ザクセン年代記』

収蔵品

1492年制作/サイズ:185×264mm(横×縦)

資料番号:52996

グーテンベルクと共に『42行聖書』を印刷したペーター・シェーファーは、その後、ヨハン・フストとマインツで印刷を続けました。シェーファーは1457年、印刷史上初めて、印刷された日付と印刷者の名前を入れた書物『マインツ聖詩集』を刊行し、また、初めてプリンターズマークを用いた人物としても知られています。
1492年に出版されて『ザクセン年代記』では、活字と組み合わされた多数の木版画が登場します。中には、一つの版木が繰り返し使用されており、これらの木版画と文章を一致させるため、マインツ大学のラテン語の読める編集者、校正者などの協力を得て制作されたといわれています。
写本をひな型とした『42行聖書』や『マインツ聖詩集』では、印刷された文字に手彩色の頭文字や装飾を施し、印刷本としての成功を収めました。『ザクセン年代記』においては、それらの装飾を木版画によって再現し、活字と併用した書物の印刷を試みました。
二人の共同経営者を失った後も、シェーファーは単独経営者として、揺籃期にあった印刷の発展に尽くしました。彼の偉業は、その後もマインツで、彼の息子のヨハン・シェーファーによって継がれました。