コレクション

ワシントン印刷機

収蔵品

サイズ:2200×1050×1900mm(横×縦×厚み)

資料番号:53016

ワシントン印刷機は、アメリカを代表する手引き印刷機です。1829年、サミュエル・ルストによって考案されたこの印刷機は、初期はルスト・プレスとも呼ばれていました。
この印刷機の特徴は、大きな圧盤です。大型で圧が強く、大判の印刷物を刷るのに適していました。圧力機構はトグル・ジョイントによるものです。トグル・ジョイントは、ひじ継ぎ手と訳され、まさにひじのような形状をしています。そのひじを伸ばしてつっぱるしくみによって、圧力を加えることができるのです。圧の調整は、ひじの曲がり具合を調整することで行い、単純でありながら、細かな調整もできる優れた機構です。ワシントン印刷機のトグルは、「4」のような形の独特なもので、特にワシントン・トグルともいわれます。ルストの特許権をホー社が買い取り、ホー社製の機械が多くつくられました。
日本では、活版印刷の祖・本木昌造が、薩摩藩から買い受け、新町活版所で使用しました。また、1853年に日本へ来航したペリーは、その艦上でワシントン印刷機を使用したといわれています。