コレクション

謄写版印刷機

収蔵品

サイズ:400×570×120mm(横×縦×厚み)

資料番号:57030

謄写版は、1894年に日本で堀井新治郎父子によって実用化され、広く普及しました。ロウ紙と呼ばれる原紙を専用のヤスリの上にのせ、鉄筆やヘラなどを強く押し当てて文字や絵を描いていきます。そうすることで、ヤスリでこすられて、原紙には細かい孔が開き、版が完成します。ヤスリでガリガリとこすることからガリ版とも呼ばれました。ガリ切りと呼ばれるこの製版方法は堀井父子による発明ですが、この方法以外にも薬品を使用し化学的に孔をあけ版をつくる方法も普及しました。
できあがった版を布(紗)を張った左側の木枠に重ね、上からローラでインキを圧し当てると開いている孔からインキが出て、下に置いておいた紙に印刷されます。
大正から昭和にかけて、堀井父子の特許が切れはじめると、さまざまなメーカーから謄写版印刷機が発売され、謄写版印刷はオフィスや学校を中心に、大きく普及していきます。簡易にそして安価に印刷ができる謄写版印刷はやがて輪転機も発売され、20世紀を通して広く利用されました。