コレクション

『喚子鳥(よぶこどり)』

収蔵品

1710年(宝永7年)制作/サイズ:156×226×6mm(横×縦×厚み)

資料番号:53941~53942

江戸時代には、多くの人々が、さまざまな趣味や娯楽を楽しんでいました。小鳥を飼育することも、武士、一般庶民を含めて大流行し、印刷・出版の隆盛を受けて、数々の飼育本が発行されました。その一つが『喚子鳥』です。
本書は、『諸禽万益集(しょきんまんえきしゅう)』、『飼籠鳥(かいこどり)』などとともに、江戸時代を代表する養禽書とされています。二巻二冊から成り、鶯(うぐいす)やつばめ、ひばりなど、いろいろな小鳥の飼い方を種類別に記載しています。その内容も、餌(えさ)やとまり木、病気の際の薬についてなど多岐にわたり、小鳥を描いた図版も掲載されています。ここに紹介する見開きの挿絵には、いろいろな形や大きさの鳥かごと、小鳥が描かれています。
著者の蘇生堂主人(そせいどうしゅじん)は、江戸時代前~中期の博物家です。彼は出版の目的を、「小鳥を飼養して翫(もてあそ)ぶことは往古により是あれども、其飼養法を詳敍(叙)して刊行せしは、本書を以て權(権)輿とすべし」と、解題に記しています。小鳥の生態についても詳述している本書は、鳥類図譜、鳥類事典としての役割も担っていました。なお彼は、ほかにも、うずらの生態や飼育法を紹介した『鶉(うずら)書』も著しています。