コレクション

『頭書増補訓蒙圖彙大成』巻之十二~巻之十三

収蔵品

1789年(寛政元年)制作/サイズ:158×223×14mm(横×縦×厚み)

資料番号:54728

『頭書増補訓蒙図彙大成』は、日本最初の図解百科事典といわれている『訓蒙図彙』の大成したもので、中村惕斎(てきさい)が編纂したものです。天文地理にはじまり、動植物や人物、空想上の動物など様々なものを取り上げ、解説しています。
訓蒙とは子供や初心者を教えさとすことを表し、図彙とは図をあつめることを意味します。編者である中村惕斎は京都出身の儒学者で、伊藤仁斎(じんさい)などと並び称されることが多く、江戸時代を代表する博学者のうちの一人です。
『訓蒙図彙』は1666(寛文6)年に初版が刊行されましたが、1695(元禄8)年に元禄版『頭書増補訓蒙図彙』が、その後約100年の時を経た1789(寛政元)年に『頭書増補訓蒙図彙大成』は刊行されました。『訓蒙図彙』では紹介した各々の項目に枠を設けて区切り、説明されていましたが、この本はそれぞれの枠を取り払い、改めて一ページに組み合わせまとめられています。
写真は麒麟(きりん)の紹介ページです。麒麟とは「仁徳を備えている動物で、鹿の体で牛の尾と一角がある。オスは「麒(き)」、メスを「麟(りん)」といい、虫や草を踏まず、聖人の世に出現する獣である。」ということが書かれています。